依存症の仲間と共に

薬物アルコール依存症。境界性人格障害。解離性障害。養子縁組。

罪からの安寧 その8

留置所を出る日が近くなった頃


刑務官から

「明日から1人同房になるからね。

高齢の方だから

宜しくお願いしますね。」

と言われました。


翌日

おばあさんがやって来ました。

とても小綺麗な方で

着ている物も

ハイブランドな物でした。


きっといいところの

お家のおばあさんなんだ

と思いました。


私はその頃

朝晩読経をすることも

日課にしていました。


子供の頃

母にやらされていたのです。

小さい頃に覚えた事なのに

忘れていませんでした。


おばあさんに

「朝晩読経をしています。

なるべく小さな声でしますから

許して下さい。」と言いました。


すると

おばあさんは

「私もご一緒していいですか?」

と言いました。


これがきっかけとなり

年の差を超えて

おばあさんとはよく話を

しました。


気になったのは

私が間も無く此処を出る話になった時


「私は取り返しの

つかないことをしてしまった。」

と言っていた事です。

私は何も聞きませんでした。


もし

外に出る日が来たら

連絡待ってますから‥

と連絡先のメモを

刑務官に内緒で渡しました。

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