翌日の朝

やっちゃんはトラックに乗って

やって来ました。

荷物をまとめるやっちゃんの

邪魔をするのに

駄々っ子みたいに

荷物を壁に投げつけました。

そんな事をしたところで

やっちゃんが出て行くのを

阻止する事など出来ません。

そして

やっちゃんは行ってしまいました。

1人取り残された私は

やっちゃんの携帯に

電話をしました。

（お掛けになった電話は

現在使われておりません。）

何度掛けても同じなのに

馬鹿みたいに掛け続けました。

そして

今頃気づいたのですが

私はやっちゃんの

会社の名前も所在地も

知りませんでした。

運送会社の多いエリアに片っ端から

電話をしてやっちゃんの

勤め先を探そうとしました。

見つかるはずがありません。

どうして聞かなかったんだろう？

どうして

教えてくれなかったんだろう？

やっちゃんとイワイさんの約束

りょうちゃんが苦しむような事が

あった時に

やっちゃんの実家の住所のメモを

りょうちゃんに渡す。

イワイさんに

こうなってしまった事を話ました。

イワイさんは

約束通りメモを渡してくれました。

パンドラの箱を開けてしまいました。

それは、病気、悪意、妬み、憎しみ、偽善、保身、悲しみ、飢え、暴力、狂気・・・。

ありとあらゆる様々な災いが

私の中から

飛び出してしまいました。