依存症の仲間と共に

薬物アルコール依存症。境界性人格障害。解離性障害。養子縁組。

退院まで その9

私とSとR


Rはハヤシ先生との付き合いが

8年くらいだったと記憶します。


治療に関して言うことを

聞かないので

ハヤシ先生は頭を抱えています笑


16歳から覚醒剤を始め

ご主人と一緒に売人もしていたので

いつでもネタがある環境です。

(ご主人が実刑になり離婚されています)


「いつ落とすの?(睡眠をとるために

一旦薬を止めること)」


「打ちっぱなしですよ。

針刺したまま寝てました。」


そんなRは注射の打ちすぎで

血管が潰れてしまい

針を刺すところがないので

採血するとき大騒ぎです。

いつも怒っていました。



20歳の

妊娠を機に覚醒剤を

止めるため

アルコールに移行しました。

このパターン依存症の患者さんに

よくある話なんですが


言わずもがな

正しい方法ではありません。


結果

Rは重度のアルコール依存症に

なりました。


幻聴 幻覚 勘ぐりが

半端ないです。


更に

30歳で糖尿1型に罹患しました。


アルコール解毒の為に入院するのですが

ハヤシ先生から2カ月は入院しないと

意味がないと

言われているのに

長くて1カ月持てばいい方です。


然も

頑なに抗酒剤の服薬を拒否します。

ハヤシ先生から

「このままじゃ

余命3年だ!俺が死亡診断書書いてやる。」

と言われていました。


ハヤシ先生は怒ったり

厳しい事を言ったりしないと

思います。


「りょうさんは

ハヤシ先生に好かれてるから

いいですね。」

Rからよく言われました。


「ハヤシ先生は

贔屓なんかしないからっ!

私はハヤシ先生を信頼してるし

治療だから言われたことを

やってきただけだよ。」


「私はシャブしか知らない。

糖尿だから美味しいものも食べられない。

早く死にたいです。」


「糖尿の事はよくわからないけど

せめてアルコールを止めて

今から私と薬以外の楽しい事を

しようよ!」


Rは礼儀正しいし

私を慕ってくれます。

可愛いです。


ある日RとSと食堂で

いつものように雑談していました。


そこへハヤシ先生が

いらっしゃっいました。


突然Rが

「先生

私りょうさんみたいになりたい。

りょうさんと施設 自助グループに

行くから‥」


私はRからと嬉しいと言う

感情を貰いました。


ハヤシ先生は

「本当に行けるのか?」


私も半信半疑ですが

ここまで慕ってくれるRに

健康で生かされてきた私は

おこがましいと思いますが

何か役に立つ事が出来たらいいと

思いました。


私は

まだまだ回復途上ではありますが

この頃で3年半

薬 お酒を止めています。

最長記録です。


これはスタッフ 仲間と

一緒だから築く事が出来たんだと

思っています。


依存症は孤独で

自己肯定感の低い人が

なりやすい病気です。


1人で回復するのは

無理だと思います。


ハヤシ先生が

サインしてくれた

(1人になってはいけません。)

私は今1人じゃない環境で

生かされています。


その後

Rは私より一足先に退院の日を迎えました。


ハヤシ先生はRに

「初めて円満退院出来たな。」

と笑顔で言いました。

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