依存症の仲間と共に

薬物アルコール依存症。境界性人格障害。解離性障害。養子縁組。

退院まで その8

退院の日が見えて来ました!

そのせいかこの頃は

記憶障害もなく

入院仲間の面子にも恵まれ

合宿のような毎日でした。


大漢Sは私と同じ系列の施設に

入寮が決まっています。


かなり遠方です。


遠方の入寮施設に行くのには

理由があります。

薬を使っていた場所を

離れて

薬を一緒に使用していた仲間や

売人と縁を切るためです。


大漢Sはハヤシ先生お墨付きの

横綱級のヤク中です。


夫婦で薬を使っていて

ご主人が間も無く懲役から

帰って来ます。


夫婦 恋人と一緒に薬を使って来た場合

薬を止めることは

かなり難しいと思います。


大漢Sは優しい女性で

入寮先から美味しいものを

送るね!何て

可愛いことを言ってくれます。


大漢Sの

4人のお子さんは

児童相談所で生活しています。

母親が薬を使っている事を

知っているせいか

面会拒否されています。


「会ってもらえないけど‥

お金だけはと思って

置いてくるんだ。」

そんな言葉に

息子にネグレクトして来た私は

何だか涙が出て来ました。


「美味しいものなんて

送らなくていいよ。

手紙書くから住所わかる?」


大漢Sは部屋から

施設のパンフレットを

持ってきました。


パンフレットを見た私は

一瞬動きが止まりました‥


全ての漢字にかなが

ふってあるのです。


大漢Sは私の反応に

気づいたのか


「ケースワーカーさんが

私は字が読めないから

漢字にひらがなをふってくれたの。」


Sは小学五年生で

母親の内縁関係のヤクザに

覚醒剤を打たれ始めました。


中学に入学した頃には

「この家の生活費は俺が管理する。」


Sは売春を強要され

働かされていたのです。


私が入院生活で

一番衝撃を受け

怒りを感じた事です。


然し

Sの口から

自分の生い立ちを

辛いとか苦しいと聞いた事がありません。


ただ

入院してきた夜

洗面所で

「シャブが打てない‥」と泣いていました。


私は思います。

Sが悪いんじゃない!


くそヤクザと薬を恨みます。


心優しいS‥


彼女が薬をやめるのは私の1000倍くらい

大変だと思います。


今までの生活より

入寮生活の方か苦しく辛いと

思うかもしれないけれど


いつか

薬が無くても楽しく過ごせる

クリーンな姿で再会したいね!

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