施設への通所が始まって

3年目。

すっかり仲間達とも馴染んで

居ました。

然し 相変わらず

お金の問題だったり

気が乗らず行きたくない日もあり

毎日行く事は出来ません。

そんな中

最高の悪夢を見る日を迎えました。

パパから

「融資の返済が出来ない。

マンションの売却先が決まった。

本当に申し訳ない。」

「死ね！！嘘つき！！

養子縁組を利用した詐欺師じゃねーか！」

ずっと治っていた

暴力を振るいました。

パパは融資を受けた時に

会社が軌道に乗るまで2年と

言いました。

よく覚えていませんが

4年間

およそ600万円の利息を払ってきただけで

何の結果も出していません。

終わった‥

私は全てを失いました。

地元に帰って

融資先の社長さん

金融屋のツツイさん

売却先の不動産屋さんの前で

融資を受けた時と

同じように私は沢山の

書類にサインをして実印を押しました。

マンション購入から10年

人気の物件でしたので

いい値段で売れた事だけが救いでしたが

私はあのマンションに

一目惚れをしました。

母が料理が苦手で

自宅に人を招くことが嫌いな人で

狭い平屋の借家には

私の居場所は勉強机しか

ありませんでした。

いつか素敵な部屋で

暮らしたい。

賃貸物件のマンションで

暮らす事が出来た時も嬉しかったですが

それよりも運良くあのマンションと

出会ったのは本当にラッキーでした。

私は人に料理を振る舞う事が好きです。

最高の決め手は斜めに作られた

オープンキッチンでした。

遊びに来てくれた友達の顔を

見ながら料理を作る。

私はずっとキッチンに入ったまま

お酒を飲んで料理をします。

それに息子と暮らす事が

出来た最後の家です。

息子に引越ししてもらわなくては

いけない事が

申し訳なく

私は結局のところ

毒親でしかないとも

思いました。

売却金は私の元には一銭も

返っていません。

どこに行ってしまったのか？

パパの借金返済としか考えられません。

マドカに会いたい。

パパと私は車で来たので

余り時間もありません。

更に

パパはマドカから借りたお金を

全額返済していません。

翌月全額返済します。利息も払います。

どれだけ月日が経っていた事か‥

マドカは私には何も言いません。

そこも辛いです。

ツツイさんに話しました。

ツツイさんは

「どれだけ返済してないの？」

「多分15万円だと思います。」

ツツイさんは

財布から15万円を出して

私に差し出しました。

「これを持ってマドカさんのところに

行きなさい。」

パパから回収すると思いますが

そのお気遣いに感謝です。

マドカには１時間くらいしか

会う余裕がありませんでした。

マンションを売却されたことを話し

おそらく私は彼女の前で

泣くことしか出来なかったと思います。

１時間はあっという間で

パパが迎えに来ました。

ベランダから見えなくなるまで

ずっと手を振ってくれました。

今度はいつ帰る事ができるんだろう‥

（あぁ‥帰る家はないんだ。）

どうしてこんな事になって

しまったのか

わからないのです。

私はこの先どう生きていけば

いいかのか‥

薬物依存症の仲間は

薬を買うために全てを失ったと言います。

お金も友達 家族‥

でも私の場合は違います。

私の財産を奪ったのは

パパです。