依存症の仲間と共に

薬物アルコール依存症。境界性人格障害。解離性障害。養子縁組。

遁走 その8

「そろそろ休もうか?」

彼が灯りを消しました。


それが合図かのように

彼が私の身体に腕を回してきました。


「ごめんなさいっ!」


彼は腕を離してくれました。


「私‥そういうつもりが

全くなくて‥

本当にごめんなさい。」


彼はしばらく黙っていましたが

灯りをつけてくれました。


「僕は貴女が嫌なら何もしないよ。

それよりも他に何か嫌なことがあるのかな?」


私は

自分が何故この街にやってきたかを

話し始めました。


何の目的もない。

これから何をもって生きていけば

いいのかわからない。


彼はただ黙って聞いてくれました。


更に私は

自分の生い立ちから

結婚 出産 夫の失踪‥


廷いては

不倫相手にも逃げられ

精神を患ったことまで‥


可哀想だと

思ってもらうつもりは

全くありません。


辛い 苦しいと誰にも言えなかった。


話始めたら止まらなくなってしまった。


彼がただ黙って聞いてくれたから‥

気がつけば

外は白みはじめていました。

「明日どこかへ出かけよう。」


私は深い眠りに就きました。

×

非ログインユーザーとして返信する