依存症の仲間と共に

薬物アルコール依存症。境界性人格障害。解離性障害。養子縁組。

遁走 その7

大きなスーツケースは

彼が持ってくれました。


電車に乗ってさほど遠くない駅で降り

駅からはタクシーに乗りました。


彼のマンションも駅からワンメーター

対した距離ではないようです。


着いたマンションは

私が想像してたよりも

普通で部屋に入れてもらうと

1DKの狭い部屋でした。


(海外によく行く)と

言っていたので

商社系とか

何かセレブな仕事で

お洒落な生活をしていると

勝手に思っていたので

何だか拍子抜けしました。


失礼ですが

私のマンションの方が

ゴージャスです。


扉を開けて先に入るよう

促してくれたり

コートを脱がせてくれたり


お店でしかしてくれないことを

スマートにしてくる辺りは

女性慣れしているというか

嫌な気はしませんでした。


「体 冷えてるでしょ?

お風呂入れたから

ゆっくり入って温まるといいよ。」


狭いユニットバス‥


お世話になるのだから

感謝しなくてわ‥


「お風呂先に頂きました。

ありがとうございます。」


「マッサージしてあげるから

服を脱いで

ベッドにうつ伏せになって‥」


(えぇ‥

やっぱりこういう流れ?

どうしよう‥)


彼は一応私の裸が見えないように

大きなタオルで隠して

顔を背けていました。


マッサージで特に

変な所を触ったりはなく

普通に上手で気持ち良かったです。


私はお礼を言って

部屋着を着ました。


1DKの部屋はダブルベットと

テーブルと

パソコンデスク

仕事の資料のようなもので

ベッドの上しか居場所がないです。


本がたくさんあります。

私は本が好きだし

本の趣味で人が分かる気がします。


しばらく

たわいもない話をしました。


でも心の中は

セックスを求められる恐怖で一杯です。

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