依存症の仲間と共に

薬物アルコール依存症。境界性人格障害。解離性障害。養子縁組。

遁走 その5

3日目の朝がやって来た。

チェックアウトを済ませる。


無駄だと思いながらも

「宿泊予約のキャンセルはないですか?」

と聞いてみる。


答えはNOだ。


日中はいつも通り仕事をこなす。


流石に疲れも溜まっていたし

宿泊先を探したかったので

18時頃に上がらせて貰いました。


スーツケースを

事務所に預けてあったので

お給料の精算を終え

運び出す。


仕事柄

洋服や靴を多めに持ってきたので

スーツケースは大きめのものです。


疲労とこの先の不安で

荷物が重くて仕方ない。


取り敢えず

駅ナカの椅子に座って休む。


知らない街の喧騒の中で

どれだけの時間が過ぎたんだろう‥


疲れて溜息しか出ない‥

(はぁ‥)


新しく契約した携帯を弄る。

番号登録されている人は

ほんの僅か


その中に

(誰だっけ‥?

あぁ あの変わったお客様だ。)


しばらく

その名前と番号をみつめていた。


通話ボタンを押す。


「あの‥

この前遊んで頂いた◯◯です。

お世話になりたいと思って電話しました。」


あの変わったお客様は

一件用があるので

1時間後に

主要駅で会いましょうと言った。

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