入院生活 その9
パパが中々
住居費を用意出来ません。
お金が無いことは
わかっていますが
ハヤシ先生の便宜で
2ヶ月という目安の
訳あり入院なので
私は焦りと申し訳無さで
体調を崩し
頓服を飲んでは寝る。
施設にも行かなくなりました。
更に同期の仲間が
続々退院していきます。
おめでたいことですが
寂しくて寂しくて‥
1年も入院していたSちゃんの
退院が決まりました。
Sちゃんは夜寝つきが悪くて
薄暗い食堂で1人でスマホを
弄ったりしていました。
ある晩
私も眠れなくて
追加眠剤を貰いに行き
薬が効くまでSちゃんと雑談を始めました。
退院が決まったことへ嬉しさの反面
不安もあるでしょう。
1年という長い入院ですから‥
「誰にも言えませんでしたが
りょうさん聞いてくだい。」
Sちゃんは重度のPTSD
両親が離婚されてお母さんと一緒に
暮らしていました。
そこへお母さんの
彼氏が同居するようになり‥
‥
その後
お父さんに引き取られ
妹さんと3人で暮らしています。
「退院したら何がしたい?」
「妹と原宿に行ってクレープ食べたいです。
私シスコンなんです。妹が可愛くて。」
写メを見せてくれました。
芸能プロダクションから
スカウトされるという妹さんは
アイドル級です。
退院する患者さんは
午前9時頃
面談室で看護師さんから
次回外来までの薬を貰い
自助グループへの勧めや
生活についてのアドバイスなどを
受けて退院です。
入院仲間は
特に何も予定が無ければ
退院のお見送りをします。
家族が迎えに来る人も居れば
一人で帰る人もいます。
Sちゃんの時は
私しか居なくて見送りしたかったのですが
お父さんが迎えに来ていたみたいなので
何となく遠慮しました。
退院劇で
ビックリしたのは
Pちゃんアルコール依存症
退院前には
外泊訓練といって自宅に泊まって
病院に帰る。
という練習を何度か練習します。
Pちゃんの様子がおかしいのは
気づいていました。
外泊に行く時の
洋服がミニスカートや
露出の多いトップスに
ハイヒール
(お勤めですか??)
1度は瞼に物凄い痣を作って
帰院しています。
5歳の息子さんとお母さんと
生活しています。
お母さんとの関係性が
上手くいかないようです。
そんな状態のPちゃん
主治医から退院を告げられました。
Pちゃんの主治医と被っている
患者さんがいないので
よくわからないのですが
アルコール依存症の彼女に
抗酒剤を処方していません。
Pちゃん退院の朝
皆んなで写メを撮ったりして
(連絡先の交換 写メは禁止です。黙認)
玄関まで見送りました。
「またね〜!!」
30分後‥Pちゃんと仲良しのMちゃんの
スマホに着信が‥
「◯◯救急隊ですが
Pさんのお知り合いですか?
◯◯のコンビニでアルコールを
飲まれて倒れています。」
Mちゃん
「◯◯精神医療に搬送してください。」
◯◯のコンビニは
バス停ひとつです。
お帰りPちゃん‥
ハァ‥