歪んだ愛 その5
その日も彼からの連絡はなく
お店にも出勤していない。
不安な気持ちは長い長い夜となり
眠れない‥
やっと夜が明け
午後になったら
また様子を見に行こうと思った。
インターフォンを鳴らす。
ドアを開けてくれたのは
やはりお姉さんだった。
出かけるところだというので
「私の車でお送りします。」
仲良くしたいと思った。
緊張してハンドルを握る手が汗ばんでいる。
「弟のことが好きなの?」
ストレートな質問。
「…はい。とても優しくて…奥様と別居中と聞いているのですが…」
「別居中!?知らなかったわ。」
余計なことを言ってしまったと後悔する。