成れの果て その4
余計な情報を聞いてしまった事で
私の中のモンスターが
目を覚ましました。
左手の薬指の指輪
面接なんて行かなければ良かった。
嫌がらせをするつもりが
自分の首を絞める事になっただけ‥
妬み嫉みが
私の頭の中で狂気と暴力へと
変わっていく。
私は珍しくシラフでした。
夜も更けてきたというのに
いつも以上に
家中を綺麗に掃除しました。
窓をクリーナーで磨き
フローリングをワックスで
ピカピカにしました。
ラベンダーの香りの
アロマオイルを焚きました。
ラベンダーには
不眠やパニックを抑制する効果が
あるそうです。
そして
電話を掛けました。
「店長をお願いします。」
「はい。変わりました。」
「今から貴方を
殺しに行きます。◯◯署の前で
会いましょう。」
名乗らなくても
私が誰だかわかるでしょう。
テーブルの上に
メモ書きを置きました。
最後にキッチンから
包丁を取りそのまま
トートバックに入れました。